小樽市鎮守
潮見ヶ岡神社
神葬祭のご案内
潮見ヶ岡神社では斎主のみ、または副斎主付、伶人付と対応致します。詳細はお電話にてお問い合わせ下さい。
電話番号 0134-22-8230
Q&A
Q,神葬祭とは
神道式で行われるお葬式のことを「神葬祭」といいます。現在、日本で行われる葬儀の多くは仏式(仏教式)で行われていますが、もともと我が国には仏式ではない固有の信仰に基づく葬儀がありました。古事記や日本書紀にも記されていることから日本固有の葬法だったことが伺えます。
しかし大宝二年(702)に行われた持統天皇の大喪(天皇の葬儀)から仏教色が強まり、つづく文武天皇・元明天皇・元正天皇の大喪もこれに倣って行われるようになり、中世以降は、仏教の興隆とともに公家や武士にまで仏式の葬儀が広まりました。
さらに江戸時代に入って徳川幕府がキリスト教の禁教とともに寺請制度を実施し、一般庶民をそれぞれの寺院に檀家として所属させた為、僧侶が独占的に葬儀を行うようになり、仏式による葬儀が一般にも定着したとされています。
こうした中、江戸時代の半ばごろから我が国古来の葬儀のあり方を見直す動きが起こり、明治時代になって、神道式による葬儀を行うことが一般に認められるようになりました。
神葬祭とは、始めに述べたように神道式で行う葬儀の名称で、日本固有の葬儀を土台に整えられた葬儀式です。厳かで儀式もわかりやすく、しかも質素なことから、今日では神葬祭が増えている傾向にあります。
Q,神道の死生観とは
神道は祖先を崇敬する信仰が基になっています。氏族の始祖を氏神(うじがみ)として崇敬し、祖先を自分たちの守り神として崇敬します。このように人は死後、家族や親族を見守る霊となって祖先神の仲間入りをすると考えられます。この、人と神の連続性は、神道の大きな特徴と言えます。
江戸時代の豊受大神宮(とようけだいじんぐう)の祠官(しかん)であった、中西直方(なかにしなおかた)は『死道百首』の中で、「日の本に生まれ出にし益人(ますびと)は神より出でて神に入るなり」と詠んでいます。これは、祖先の神々から出たものは、やがて一生を終えると祖先の神々の所へ帰っていくのだという意味であり、この歌は実に明確に日本人の死生観を表しています。つまり、日本人の生命は、祖先から自分へ、自分から子孫へと永遠に「血」と「心」の連続を形成するのです。いいかえれば、これは霊魂の不滅、霊魂の引き継ぎともいえるでしょう。
そして、私ども日本人の「霊」は、仏教でいうような十万億土にいくのではなく、わが家、わが郷土、わが国に留まって、祖神と共に子孫の繁栄を見守り、子孫からのお祭りを受けるのです。
Q,神葬祭の流れは(式次第)
遷霊祭(いわゆる通夜祭)~故人の神霊を霊璽に遷す儀
一、修祓
一、遷霊の儀
一、斎主一拝
一、献饌
一、饗膳献上
一、報恩詞奏上
一、遷霊祭詞奏上
一、喪主・参列者玉串拝礼
一、斎主玉串拝礼
一、撤饌
一、斎主一拝
葬場祭(いわゆる告別式)~故人に対し最後の訣別を告げる重儀
一、修祓
一、斎主一拝
一、献饌
一、饗膳献上
一、偲詞奏上
一、喪主・参列者玉串拝礼
一、斎主玉串拝礼
一、出棺祭詞奏上
一、喪主玉串拝礼
一、撤饌
一、斎主一拝
火葬祭~火葬場にて行う儀式
一、修祓
一、斎主一拝
一、火葬祭詞奏上
一、喪主・参列者玉串拝礼
一、斎主玉串拝礼
一、斎主一拝
帰家祭~霊前に葬儀が滞りなく終了した旨を奉告し、御神霊が守護神として家族親族をお護りします
一、修祓
一、斎主一拝
一、献饌
一、大祓詞奏上
一、帰家祭詞奏上
一、喪主・参列者玉串拝礼
一、斎主玉串拝礼
一、撤饌
一、斎主一拝
※次第などは地域や神社によって、異なります。
Q,お参り作法は?
神社での参拝作法、二礼二拍手一礼になりますが、神葬祭では二拍手の際に「偲手」となります。
「偲手」は音を立てず、手を合わせる手法です。
Q,喪に服す期間は
四十九日は神社への参拝を遠慮し、また神棚は半紙などで隠しましょう。故人へ向けられた悲しみを次第に薄ろがせ、慎んだ期間から少しずつ平常の生活へと戻す為の期間といわれております。
これは父母の場合であり、祖父母や叔父叔母(伯父伯母)などは十日から二十日など忌み期間が短くて良いとも言われております。
Q,葬儀後は
神道の御霊祭としては本来、10日祭・20日祭・30日祭など50日祭まで執り行いますが、現代においては50日祭を執り行い忌み明けとし、そこから1年祭・3年祭・5年祭・10年祭・以降5年毎に行うのが一般的になっております。
終わりに
現代薄れつつある家族や人との絆、繋がり。
“自分を育ててくれた両親”“人生を共に生きてきた僧侶”“自分を成長させてくれた友人”など失って気づく有難みや存在の大きさ…多くの人に支えられて生きていることを顧み、私たちは「生」への思いを強くすることが故人へ対する報いであると自然と自覚しているのかもしれません。
今一度、家族の有り難み、延々と受け継がれてきた祖先への感謝、いま自分が生活できることへの感謝を考え、御霊祭の重要性を考えてみませんか。